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龍泉刃物のアドバンテージ

龍泉輪(りゅうせんりん)模様の特徴と由来

地肌に現れる美しい模様は、硬質材と軟質材を交互に幾層にも積み重ねた刃物鋼を鍛造し、表面を平らに磨きあげる越前打刃物職人の特殊な技から生まれます。この模様が刃先まで入ることで、切れ味により大きな効果をもたらします。龍泉輪模様は、龍泉刃物の職人に受け継がれる独自のものです。

日本では古来より、龍は人々の心からの願い事を叶えてくれる「龍神」として崇められてきました。龍は人々の願いを叶えるため、神聖なる龍の泉から現れ、力強く天高く昇ります。そのあふれる水しぶきは雨の如く泉に降りしきり、月の光に照らされた水面に無数のきらめく波紋を浮かび上がらせたそうです。
龍泉輪という名前は水面にきらきらと輝き、交じり合う波紋をイメージして生まれました。願いが叶いますようにとの想いを込め、職人が1本1本丁寧にお造りしております。

龍泉刃物のアドバンテージ

01
厳選素材

Blade ブレード(刃)

  • V金10号

    VG10ステンレス刃物鋼は、ステンレスに厳選された純度の高い原料鉄を最適な配合で調合し、最高の精鋼技術で作られた靱り強い高級刃物鋼です。耐食性が高い為に錆にくく、また耐摩耗性に優れているため、高い切れ味が長持ちします。

    梵天雲龍シリーズ・丹巌龍シリーズ・プリヴェイルシリーズ・フェリーチェレガロ

  • 龍泉輪(りゅうせんりん)ダマスカス

    VG10とVG2の高級ステンレス刃物鋼を70層積層し鍛えることで、金属組織が微細になり、単一の鋼を用いるよりも、粘り強く折れにくい特性を持ちます。また、絶妙な技術で鍛造されることにより、他に類を見ない、最高の切れ味が実現されました。刀身に全体に浮かび上がる模様は職人の手によって鍛造し、砥ぎあげられることにより、これまでにない美しい龍泉輪(りゅうせんりん)紋様が刀身全面に渡り刻まれるようになりました。

    ステーキナイフシリーズ

  • ATS314

    ATS314鋼はステンレスコバルト合金の鋼材。コバルト合金を混ぜることにより、高硬度・耐摩耗性に非常に優れ、更にカーボンを多く含有させることにより高い切れ味が長持ちする高級刃物鋼です。

    風格龍シリーズ

  • スーパーゴールドⅡ

    粉末冶金工程により多量の高合金成分を微細・均一に分散させた合金材です。高硬度・高靱性・耐摩耗性・耐腐食性の四大条件を網羅した超高級刃物鋼。

    武礼禅シリーズ・スーパーゴールドシリーズ

02
製造工程

  • 鍛造

    弊社の刃物はステンレスと特殊鋼を接着した構造が特徴です。ステンレス鋼を高温度に加熱し鍛冶鍛造すると、表面が酸化して結晶粒が粗大するリスクがあります。そのため適した温度での鍛冶熱鍛造が必要ですがステンレスは延びが悪く、温度を高めにして加工しがちです。
    しかし高温鍛造で加工した製品は、ねばり強さが欠如し変形したり、仕上がり後に刃が欠けやすくなってしまう等の恐れがあります。そこで弊社では、ロール鍛造を導入し、ステンレス鋼を熱間鍛造する必要最低限の低温を保ち、金属組織に負担をかけず加工後の変形を防いで鋼を傷めないようにしています。その後の冷間鍛造で金属粒子が緻密になり、刃物に強靭さをもたらしています。

    鍛造
  • 熱処理

    焼入れは、焼むらの少ないソルトバスを使用しております。その為、1日の焼入れ枚数は限られた数となりますが、熟練の職人が厳密な加熱時間・保持時間・冷却速度・温度管理をして、その素材を最大限に生かした完璧な焼入れ・焼き戻しを行っております。

    熱処理
  • 荒砥ぎ

    砥ぎは、砥ぎ歴65年の故増谷浩(元会長)の豊富な知識と匠の技を教え込まれた熟練職人達により仕上げられています。先々代から引き継がれた伝統のハマグリ砥ぎは、素材を最高の切れ味へと導く、熱処理とならぶ非常に重要な作業で、神経を集中し1丁1丁、丁寧に仕上げていく事により、刃は鋭く研ぎ澄まされていきます。

    荒砥
  • 研磨

    弊社の製品は「切れ味」はもちろんのこと、「美しさ」と「使いやすさ」を追求しています。これらを見出す為に、職人が手作業で10工程以上のバフ研磨作業を行っています。ブレード全体に浮き出る波紋やダマスカス模様、龍泉輪の優美さはこの研磨によって生まれます。また丁寧に磨きあげることで、食材を切り分ける際に抵抗を軽減する効果をもたらします。

    研磨
  • 柄仕上げ

    良い柄は衛生的で長持ちすることが大切な条件のひとつです。
    弊社では、柄のすき間からの水に浸入による錆の発生を防ぐため、中子と柄の間を完全に埋めて防水処理をしています。天然木を使用しているハンドルの場合、龍泉独自の技術で時間をかけて木地をしっかりと硬く仕上げていき、木の収縮を防いでいます。また、ハンドルの形状は、様々なジャンルの料理人にヒアリングを行い頂戴した貴重なご意見・ご要望を製品に反映。使い易さ、握りやすさ等の機能面の向上を図りました。職人が手作業で1本1本丁寧に成形していくことで、シンプルでありながら美しさと機能性を兼ね備えた柄に仕上げていきます。

    柄仕上げ
鍛造 熱処理 荒砥 研磨 柄仕上げ